- 作者: 津本陽
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/12/25
- メディア: 文庫
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『夢のまた夢』の感想でも書きましたが、津本先生の作品は司馬遼太郎先生のような作品が好きなら読まない方が良いかと思います。
多分に想像したキャラを描く司馬先生の作品と史書を丹念に分析してつなぎ合わせた津本先生の作品は対極だからです。
僕は特にその辺こだわりがないので、司馬先生の作品も津本先生の作品も読んでますがね(苦笑)。
上巻の東北の争いを読んでいて、政宗は盤石な体制にいたのではないコトに気づかされました。
立場的にはそれなりの領土と戦力を持っていますが、油断したら即滅亡の危機に何度もさらされてますね。
そして、上巻を読み進める際には巻末の地図も併用して見る事をお勧めします。
かなり煩雑に地名が出てきますから、地図を見ながら位置関係を確認しながら読むと理解度が深まりますから。
上巻の終わりの方で、豊臣秀吉に臣従し外様大名として組み込まれます。
それから何度も何度も石田三成を中心とした役人たちに危ない目に遭わされます。
「そらそんな目に遭わされたら、絶対に関ヶ原では家康に付くだろ」と同情するほどです。
ただ、政宗、野心を持ちすぎて余計なコトをして大損しているんですよね。
大崎・葛西の一揆とか、関ヶ原とか、もう要らんコトしたせいで褒美を見事なくらい不意にしてるんですよ(苦笑)。
そこら辺、後世の歴史を知っている僕たちだからこそ言えるのかもしれません。
あの当時のそれなりの勢力を持った大名な「秀吉や家康が死んだらオレにもチャンスがある」と思った所で何の不思議もないですからね。
唯一この作品、というか津本作品で不満な点を1つ。
史書を原文のまま、取り上げる事があるんですよ。
たまにならいいのですが、その手の文章が続いたり長かったりすると、スイマセン、僕はメンドくさくなって読み飛ばしています。
だから、口語訳した文章で統一して欲しかったですね。