三重県に住む【藤丈なっく】が、
その日に見聞きしたりやったりした事を、イロイロと思った通りに書いていきます。
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 羊のうた/1〜7巻/冬目景(とうめ・けい)・作画/バーズコミックス/幻冬舎

羊のうた 全7巻

羊のうた 全7巻

画像は全巻セットのモノにしてみました。
僕は普通に一冊ずつ買っていきました。

ネットの知人の方に「冬目景いいよ!」と勧められて読み始めたのがきっかけ。


正直、今まで見た事がないような作品の話に面食らい、一気にハマりました。
まあ、僕も高校・大学と悩んだ事が多かったので、どこか暗めな冬目さんの作品は合ったのでしょう。


冬目さんの作品に共通する事は、どこか暗くて切ない話を描かれる事です。
多分、それこそが一番の売りなんだと思います。


この『羊のうた』という作品の評価は、最後まで読まないと決まらないし、最後まで、それこそ作者インタビューまで読み切って、さらに何度か読む必要があると思います。
普通のマンガを読むように適当に読める作品ではないし、そういう読み方だと面白くないと思います。


僕自身、高校は美術部にいたんで、八重樫さんの部活は面白く読んでました。
ただ、僕はホントの意味の部員じゃない幽霊部員みたいなモノだったんで*1、完全には分からないですが(苦笑)。


個人的にラストで希望がもてたのは救いでした。
アレで主人公たちが死んでいたら、それこそ太宰や芥川の頃のような古すぎるって感じだったし。


そういやさ、インタビューで冬目さんが語っているんですが、木ノ下くんに兄弟がいてそれが別作品に出てるってのヨカッタですね。
まあ、元々描き分けが上手い漫画家さんでもないんで(苦笑)。
イヤ、この方の場合、巻が重なるごとに上手くなると言うのではなくて*2、もう世界観や絵柄とかが全て決まってて、話を淡々と消化していくって感じかな。


最後に、僕がこの作品で一番印象的だった言葉を書いておきます。
その言葉が、この作品を一番上手く説明していると思うからです。
それは、7巻の87ページの「わたし達は……羊の群れに潜む狼なんかじゃない。牙を持って生まれた羊なのよ」という台詞。


まあ、決して万人向けとは言えませんが、読む価値のある作品だと思います。

*1:ウチの高校は授業の中にクラブ活動の時間が週一時間あって、そこで僕は美術部を選択したのです。

*2:それでも多少は上手くなってるというのはあります。